【どれを選べばいい?】Linuxの「種類」を徹底解説!ディストリビューションの違いと選び方

Linuxを学び始めると、必ず「Ubuntu(ウブントゥ)」や「CentOS(セントオーエス)」といった名前を耳にするようになります。「Linuxを勉強したいのに、結局どれを使えばいいの?」と混乱してしまう方も多いでしょう。

実は、Linuxには「ディストリビューション(配布形態)」と呼ばれる数多くのバリエーションが存在します。今回は、この正体と、LinuC試験で重要となる「系統」の違いについて分かりやすく解説します。

1. 「ディストリビューション」って何?

前々回の記事で、Linuxの核となる部分は「カーネル」だとお伝えしました。しかし、カーネル単体では、私たちは操作することができません。

そこで、「カーネル」に「便利なアプリ」や「シェル(窓口)」、「インストール用の仕組み」をセットにして、誰でも使えるパッケージにしたものをディストリビューションと呼びます。

例えるなら、Linuxカーネルは「車のエンジン」です。

エンジンだけあっても走れませんよね?そこに、トヨタがボディを乗せれば「プリウス」になり、ホンダが乗せれば「シビック」になる。この「プリウス」や「シビック」にあたるのが、Linuxディストリビューションなのです。

2. なぜこんなにたくさんの種類があるの?

Linuxは「オープンソース(設計図が公開されている)」です。

そのため、世界中の企業やコミュニティが、「俺たちはもっと使いやすいデスクトップ用を作りたい!」「俺たちは銀行でも使えるガチガチに硬いサーバー用を作りたい!」と、それぞれの目的に合わせて独自の味付けをして配り始めたため、数千種類ものバリエーションが生まれました。

3. LinuCで必ず覚えるべき「2大系統」

数千種類あると言っても、基本となる「流派」は大きく2つに絞られます。LinuC試験(101)では、この2つの違いが非常に重要です。

① Debian(デビアン)系

ボランティア団体やコミュニティが中心となって開発しているグループです。

• 代表選手: Ubuntu(ウブントゥ)、Debian

• 特徴: デスクトップで使いやすく、最新の技術が取り入れられやすい。「使いやすさ」を重視するならこれ。

• キーワード: パッケージ管理には「apt」や「dpkg」というコマンドを使います。

② Red Hat(レッドハット)系

アメリカのRed Hat社という企業が中心となって開発・サポートしているグループです。

• 代表選手: RHEL(レル/Red Hat Enterprise Linux)、AlmaLinux、Rocky Linux(かつてのCentOS)

• 特徴: 企業(エンタープライズ)向け。非常に安定しており、銀行や官公庁などの「絶対に止まってはいけないシステム」で使われます。

• キーワード: パッケージ管理には「dnf」や「rpm」というコマンドを使います。

4. どちらから勉強すべきか?

これからエンジニアを目指す方が悩むポイントですが、結論は「どちらでもOK」です。

なぜなら、どのディストリビューションも、中身の「カーネル」や「基本コマンド(lsやcdなど)」は共通だからです。

• 自宅で触ってみるなら: 情報が多く、画面が綺麗な Ubuntu がおすすめ。

• 仕事(サーバー)を見据えるなら: 企業シェアが高い Red Hat系(AlmaLinuxなど)を触っておくと、現場で即戦力になりやすいです。

LinuC 101試験では、「Debian系でのソフトの入れ方」と「Red Hat系でのソフトの入れ方」の両方が試験に出ます。片方だけでなく、両方のコマンドをセットで覚えるのが合格のコツです。

5. Linuxの「家系図」を知るとIT業界が見えてくる

Linuxの種類を学ぶことは、IT業界の歴史を学ぶことでもあります。

例えば、Googleが社内で使っているLinuxや、Amazonがクラウド(AWS)で提供している独自のLinux(Amazon Linux)も、元を辿ればこれらの系統から派生しています。

また、私たちが持っている Androidスマホ も、中身はLinuxカーネルをカスタマイズしたものです。ただし、Androidは独自の進化を遂げすぎて「Linuxディストリビューション」の枠を超えた存在(モバイルOS)として扱われることが一般的です。

まとめ:違いを楽しもう

Linuxには「これ一つが正解」というものはありません。

• 見た目がかっこいいもの

• 驚くほど動作が軽いもの

• セキュリティに特化したもの

自分の好みや目的に合わせて選べるのが、Linux最大の魅力です。LinuCの学習を通じて、それぞれの「流派」の作法を学ぶことで、あなたはどんな環境でも対応できる「柔軟なエンジニア」になれるはずです。

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